馬に乗り始めた頃の思い出 ~Vol.2~

 ~ 私の馬履歴書 Vol. 2 ~

乗馬を始めた頃の思い出 11
~ “ 鞍数 考 ” 前編 ~
2016年3月2日だいあり~より

 
乗馬を趣味にしようと思って、ある乗馬クラブに入会したわけなんですが、
その時説明を受けましたョ
“乗馬では、1レッスン受けることを
ひと鞍乗ると、いいます。ひと鞍は45分間です。
鞍数を重ねることで、
このようにステップアップしていきますョ”と、チャート表みたいなものを見せてもらいました。
“個人差はありますが、○○~××鞍ぐらいだと、△△クラスになってその時は☆級を受けて…”
とかなんとか言われて。
なんだかわからんけど、自動車運転免許の教習所みたいだなぁ~って、その時思ったモンです。
3級とったら、仮免と同じかな?とかね、あはは。
そしてバリバリの体育会系のアッシは思いましたよ
 こりゃぁ~気合入れて
  鞍数をこなしていかないとッ!
まぁ~これが間違いの始まりだったわけですがね。
 
ところで、その時は気がつかなかったのですが、少し経ってから、ふと思い当たったんです、
  “じゃぁ~、鞍の数は
 どーやって数えるのかなぁ~?”
みなさんは、ご存知ですよねぇ~???

乗馬を始めた頃の思い出 12
~“ 鞍数 考 ” 中編 ~
2016年3月3日だいあり~より


高校の授業は1コマ=50分間とか、
大学は90分間とかは、文科省が決めているのでしょうか?
一方、乗馬クラブの1鞍は45分間とか、30分間とかは各クラブが勝手に決めていますよ。
学校の授業はなるべく短いほうがいいなぁ~って学生の頃は常々思っていたんですが、
乗馬の1鞍はなるべく長い時間のほうがいいなぁ~って、
あの頃は思っていたモンですョ
なんでもいいから、
ウマに跨っていればシアワセだぁーッ!
って感じでして、ナン鞍でも乗れたような気がしてました。 

今では、
やっぱ1鞍=45分間程度がいいのかな、と。
ウマもヒトも、そのくらいが緊張感が続く適度な時間、
かつ面白さが感じられるちょうどいい時間、そんな感じかなと思っています、
と、いうか、アッシは、
45分間乗ったら、その馬に対しては
お腹イッパイになります、
本音を言えば、30分間がいいとこなんですョ

乗馬を始めた頃の思い出 13
~ “ 鞍数 考 ” 後編 ~
2016年3月4日だいあり~より

 まずは前日・前々日の復習なんですが、
馬場で1回練習する単位は鞍で、鞍そのものを数える時の単位は、背(せ)ですよね。
そして馬場での1レッスンは乗馬クラブごとに違って、45分間だったり、30分間だったり、
短いところは20分間もあるようですが、共通の決まりはないんです。

そして、ここからが今日のテーマですが、
“鞍数もしくは騎乗時間と乗馬(技術)は
比例もしくは相関関係にあるか?”
アッシの答えは、どちらともいえない、ですな。
ここが乗馬の難しいところで、他のスポーツ・習い事は、“練習量は嘘つかない”が、ほぼ当てはまりますよ
でも、乗馬は一概に当てはまらない、なぜか?それは、そこに馬がいるからなんだと、
思っています。
馬との共同作業が、乗馬なんですよね。
  馬に乗り始めた頃、
そのことに全く気がついていませんでした。 

でも、練習しなきゃぁ~乗馬は上達しません、
だとしたら、
鞍数と乗馬技術は相関関係にはあるのかもしれませんね。 

乗馬を始めた頃の思い出 14
~ “ウマって駈歩、なんでやるの?” ~
2016年3月7日だいあり~より

エンデュランスをやってみようと思って入会したふたつ目の乗馬クラブで、
アッシの担当スタッフさんから、こうやって質問されたんですョ。
アッシにエンデュランスを教えてくれた先生です。
なんでかというと、馬場で乗っている時、その馬が駈歩発進しなかったんですよ。
で、アッシは以前教わったとおり答えましたよ、
“乗り手が駈歩の合図を出すからだと
     思うんですが・・・” 
即座に、×でした。先生が言うには、
“馬が自分で、駈歩をしようと頭で考えるから、そして、身体にその信号を送るから、馬の身体が駈歩するんでしょ?
馬がそういう気持にならない限り、そうしないんですよ、
合図はそのきっかけを働きかけることじゃぁ~ないですか。 
さっきから見ていると、常歩も速歩の時も、ライダーと馬の気持が、全然一致していないじゃぁ~ないですかッ!”
ってつまり、馬とライダー間でコミュニケーションが出来ておらず
馬がライダーに対し聞く耳を持っていない)

 前のクラブでは、馬が駈歩発進をしないのは、
ライダーの乗り方、つまり扶助の出し方や姿勢やバランスが悪いからだと、言われていました。
この説明もある場合にはあてはまるのですが、通常の初心者が乗るレッスン馬は、
高等馬術をやる馬のようには繊細ではないですよ
それに外乗だと、多少バランスや姿勢が狂っていても、そして、合図さえもしなくても、
だいたい駈歩発進するでしょ?
(ただ、馬場外で馬が駈歩しやすい理由は、ライダーとの関係ではなく、他の要因の場合が多い)

駈歩発進の合図は、外方脚をつけて(又は引いて)
ゼッコ(又は内方脚で圧迫)なのですが、
その動作自体はそんなに難しくはないです。
(でも、何故外方脚をつける又は引くか、考えたことありますか?)   

乗馬は、例えばPCで文字入力する時、
shiftキーを押しながら4を押すと
必ず$になるのとは、
訳が違うと言うことですよね、そうなんですよ、
馬は機械じゃなくて動物なんですよね。

乗馬を始めた頃の思い出 15
~ “グループ・レッスンの功罪・前編” ~         
2016年3月12日だいあり~より

 “グループ”→“部班”と、
当時の方は西洋式馬術用語を翻訳したんですね。
アッシが初めて乗馬を習ったクラブも、
部班レッスンでした。
ここにご来場いただくお客様から
たまに言われるのですが、そしてアッシも思っていたのですが、
部班練習なので、“つまらない”とか“上達しない”とかとか。
一番多いのが、他の人馬がこじれると、
その後全然練習にならないってことなんですがね、
それらは本質的な事とは、ちょっと違うかと思うのですが、それはともかく。
  部班練習に限らず何事にも、
  良い面も悪い面もあると思うんですよ。

 今日は良い面です。
ライダーの最低限の基本的動作(姿勢・バランス・ 扶助等)が確立する前は、
インストラクターさんのサポートを受けながら、
そして馬は前の馬について行こうとする習性を利用しながら部班練習をするほうが
上達すると思うんです。なぜなら、
基本的動作を習得しながら、
ひとりで馬をコントロールするのは、とても難しいことだと思うんですよ。
なので、馬のコントロールを気にせず、ライダー自身の事だけに集中でき易い、
部班練習はそういう意味で、
すぐれていると思うんです。

乗馬を始めた頃の思い出 16
~ “グループ・レッスンの功罪・後編” ~

2016年3月13日だいあり~より

 ということで、“部班練習”=“グループレッスン” なのですが、ややもすると、
“部班練習”=“数珠繋ぎ練習”になりがちで、
それはそれでしょうがないのですが、弊害もあります。
まずは、インストラクターさんが一人馬に
係わっていられないということですね。だから、
端折ったアドバイスしかできなくなりますよね、
例えば、バランスが悪いとか・・・
それから、これ、本質的なことなんですが、
ライダーと馬との関係が二の次三の次になることですよね。
たとえば、馬がどうしてそうなっているのか?とかとか。
昨日も書いたとおり、初期段階の部班練習は、
馬との関係を抜きにした、
ライダーのことのみの練習なわけですな。
なので、この段階で各個乗りをすと、
   “馬が全然いうことを聞いてくれなぁ~いッ!”
ってことに。
でも、部班運動も段階が上がれば、それはそれで技術も上がり楽しい練習になりますョ、
例えば、カドリールですね。
要するにグループで運動するのですが、
そのグループとは、各個乗りの集合だという
ことですよね。
   そういう、難しぃ~い部班練習を
経験させてもらったことがその後あるので、
そのうち、書きますね。

乗馬を始めた頃の思い出 17
~ “乗馬は乗る前から始まっている” ~

2016年3月16日だいあり~より

 アッシが入会した二つ目の乗馬クラブでは、
エンデュランスの先生から、一人で乗ってくれと言われました。
やることは、“サークル(輪乗り)で
巻き乗りをいれながら、両手前で
常歩→速歩→駈歩をして、
うまくいったら教えてください”と。
わからないことがあったら、いつでも聞いてくださいって。

そんなこといったって、
そりゃぁ~、うまくいかないですよ。
で、駈歩の巻き乗りがうまくいかない時、
そこで見ていた先生に聞いたんです。そしたら、“速歩の巻き乗りは出来ましたか?”って。
アッシは“???…”ですよ、で、やってみろと言われてやってみたら、(出来てると思っていましたよ、アッシは)、ダメダメダメですよ、軌道が50センチもズレているって。
それから、常歩でやってみろと言われて、
やってみたら、また、バツバツツ。
“馬が全然ライダーに聞く耳を持っていないでしょッ!” で、
その前のまたがる時は?馬場まで引いてくる時は?馬装の時は?手入れの時は?馬房から出す時は?その時々馬がどうだったか、思い出してください!って、ね。
馬とライダーとのやり取りは、
馬房から馬を連れてくる時から始まっているんだよ って。

前段階でできないことは
   その次に進んでも出来ない。
つまり、たとえば、常歩で出来ないことは速歩でも出来ないし、速歩で出来ないことは駈歩でも・・・
って、教わりました。

乗馬を始めた頃の思い出 18
~ “○○ができるとかできないとか” ~
2016年3月19日だいあり~より

 
最初の乗馬クラブで、
ちょっと駈歩を習い始めた頃に思ったんですが、常歩→速歩→駈歩とできるようになったら、
次は、ナニを習うのだろうかなぁ~?って。
日頃、お客様とお話ししていても、速歩や駈歩はできるとかできないとか、そんな感じなんですが、では、常歩ができるとか、停止ができるとか不動ができるとか、後退ができるとか、、、
そんな話は、まるっきり出てこないですし、
アッシも乗り出した頃は、思ってもみなかったんです。
(乗馬で“ナニナニができる”という時の“出来る”という定義は、ここでは議論しませんよ、うまく説明するのは難しいんです)
 
で、二つ目のクラブに行ってからの話なんですが
駈歩から速歩への移行がうまくいかないんで、
馬場で乗っている時、エンデュランスの先生にどうしたらいいか聞いたんです、
そしたら、
“速歩→常歩にしてみてください、
はい、駄目ですね、
常歩から停止してください、はい全然駄目ですね、
そんじゃぁ後退させてください、
はい、全くダメダメですネッ!”って。
手綱を引っ張って減速させたり止めたり、
後退させているって指摘されて。 
アッシは、
”だって、そう教わったんだもんッ!”とは
言いませんでしたがね。
 合図で馬の頭に働きかけなさい、
 またまたそう教わったんですョ

乗馬を始めた頃の思い出 19
~ “馬がするのか?馬にさせるのか?” ~
2016年3月21日だいあり~より

 
皆さんはウラホリの時の肢上げ、どうやってますか?
アッシは一つ目の乗馬クラブで教わったんです、
“馬の左側にかがんで、このへん(つなぎや腱のあたり)をグリグリとやって馬の肢を上げさせて
…もし上げなかったら、自分の肩で馬をグイッと押して…”ってね。
で、二つ目のクラブでも
そーやったら、一発でNGですよ。
エンデュランスの先生から、
“馬がやるまで待ってやってください、
今、上げようとしている肢に体重がかかっているから、馬は上げられないんですよ、
馬が肢上げの合図が分かれば、体重移動を自らして、その後肢をあげるから、
それまで待ってください。待ってやるのは、手入れの時も引く時も乗る時も、
いつも同じですよ。
 
馬を物理的な力、例えばバコバコ蹴ったり
グイグイ引っ張ったり、力で強制するのは、
たとえば、
無理やり女性をデートに連れ出すようなもんで、
そんなのは、デートに行けたとしても、
ぜんぜ~ん面白くないでしょ?
 
馬との関係も全く一緒ですよ、
お互いの意見が一致して、馬が自らすすんで、そして楽しんでやるように、
そんな関係を作っていってくださいね”って、ね。
 
その時は、そーかーなるほどね、
でも難しいなぁ~と思った程度でしたが、
今では、例えば
“あの人は馬を動かせるね”とか、動かせないとか、そんな言い方はに違和感を感じ、
そして、いやな言い回しだなぁ~と思っています。

乗馬を始めた頃の思い出 20
~ “蹄跡もサークルも馬場外も一緒です” ~
2016年3月22日だいあり~より


 エンデュランスをやっていきたいと、二つ目のクラブで表明してから、
それまで長方形の蹄跡を使って乗っていたのが、サークル(輪乗り)運動に変えてくださいと、先生から言われました。
“僕は蹄跡でしか乗ったことがないんです”って言ったら、
“えッ?蹄跡?蹄跡ってどこだか知っていますか?今までは柵沿いを乗っていただけでしょ?”って。
アッシはトホホですよ。
先生曰く“柵沿いでは、
馬がどこに進んでいるのか、正確にはわかりにくいんですよ、サークルなら、左右にぶれる可能性があるから、
馬のヨレがわかりやすいし、
内方姿勢やリード(手前)をはっきり意識しやすいので馬をより正確に感じやすいですよ、
なので、サークルで乗ってください。”って。
さらに“馬の両足の幅って数十㌢ですよね、
なので、サークルの蹄跡の幅はせいぜい1mに収めてくださいね、その幅を目指してください、
ただし、馬を固めて乗って
結果1m以内じゃぁ~だめですよ。
さらに追い打ちで、“どこで乗っても、同じ意識・姿勢・扶助で、つまり馬場内でも馬場外でも、同じように乗ってくださいネッ!”って。
アッシは思いましたよ、なんだかこむずかしいなぁ~…アッシは、
パカパカと楽しく外で乗れれば、
それでいいんだけどなぁ~ッ”って。
この日から、
アッシのエンデュランスの日々が始まりました。