~ 私の馬履歴書 Vol. 3 ~
乗馬を始めた頃の思い出 21
~ “常に馬を感じなさいな” ~
2016年3月24日だいあり~より
エンデュランスをやるにあたって、
あてがわれた馬は競馬あがりの、クラブにきて半年の5歳の煽馬で、なんだか訳がわからんままにトレーニングライドに出て、なんとなく馬が合ったような気が、その時はしたもんだから、
言われるままに自馬にしたわけなんですが、
全然、駄目駄目なんですよ。
馬場では前に進まないは、逆に走られてどっかに行っちゃうは、バタ止まりするは、駈歩はしないは外で乗ればさらに制御不能。
で、いくら馬場で乗ってもうまくいかなくて、泣きそうになるんですよ、
そんで馬場で乗っている時に先生に聞きました。
その返答は“人馬別々ですね。
ライダーは馬にただやれ、やれと言っているばかりで、
馬の反応や言い分を全く聞こうとし
てないじゃぁ~ないですか。
馬はライダーの合図に対して思ったことを動作で表現するので、それを身体で感じ取ってくださいそしてそれに応えて、
また馬の思考に働きかけたり、
その時もしいい反応だったら、
もちろん褒めてやってください、
今までは、全然褒めもしてないじゃぁ~
ないですか、褒めるっていったって、
なにもバンバン首筋を叩く必要はないですよ、
一瞬リリースしてやる位でもいいんです。
そして、自分の思っているように馬が反応したらライダーはなにもしないって事も、
馬の頭に働きかけることの一つですよ。
そうやって、馬と常にやりとりして、
馬がライダーに対して聞く耳を常に持つように、合図を待つように。
端的に言うと馬がライダーに譲ってくるように乗ってくださいね。”
ますます、わからん、
今まで乗ってきたのは、何だったのか?
って感じでしたな。
乗馬を始めた頃の思い出 22
~ “フリー騎乗の作法” ~
2016年3月25日だいあり~より
言われたとおり、馬を感じようとしながら
サークル運動をするんですが、
なんともよくわからず、
そして思うように馬は動かず。
外乗に行きたいなぁ~って先生に言っても、
“今は中でしっかり乗ってください、
外へはそのうち嫌っていうほど
行けるようになりマスッ!”しぶしぶ砂を
噛むような…そんなある日先生から言われました。
“馬場で乗った後、
沈静運動するつもりで常歩で外に行ってもいいですョ、
ただし、しっかり準備運動と本運動をしてください。
準備運動は、アメフトの練習でもやるでしょ?
身体をあたためほぐし、柔軟性を高めるためにしますよね?
乗馬はさらに、ライダーが馬との関係を確認し作る事も準備運動中でします。
今までやってきた、
馬を感じながらやり取りする中で
三種の歩様で巻き乗りを入れながら
サークル運動をするのがそれですよ。
更に柔軟運動のために、
これから二蹄跡運動などをやっていきます。
当面は自分で騎乗プランを考えるのは無理でしょうから、
サークルまでの運動を準備運動として、
その後は本運動として馬の柔軟運動を人馬の課題としますよ、
まずはネック・ベンドから。
首を曲げるという結果だけを追い求めてギュウギュウやらないで、馬の口の感じややり取りを通して、手綱・ハミと指先の感覚と馬との関係を高めていってください。”ってね。
その後カウンター・ベンド、肩内、腰内、
横歩やら、次々課題が与えられ、
人馬のヘッポココンビは
五里霧中の中を彷徨うのでした。
でも、先生から“競技会スタート前の待機馬場で柔軟運動できたら馬の故障は減りますよ。
ライダーに譲れないで、首があがって、
背中が突っ張ったままの馬に長距離・長時間乗ると、馬の背中や腰は
壊れちゃいますよ、エンデュランスは、
馬体になるべく負担をかけないように乗る競技ですよね?”って
言われると、返す言葉もなく。。。
ただし、その後、判明したんですが、ヘッポコだったのはライダーだけで、
馬はライダーが思っていたほどヘッポコではなかったということが、、、
それは又、後々のお楽しみ。
乗馬を始めた頃の思い出 23
~ “見て勉強しよう” ~
2016年3月28日だいあり~
より 馬を感じながら乗ってくださいネッ!って、
言われたんですが簡単にはわからんですよ。
でも、日頃から常に感じようとすることが大事なんですよ、
なんて言われて、調馬索運動であるとか
引き運動であるとか、
やりなさいと言われて、いろいろと勉強させて いただきました。そんな中で、
他のお客さんが馬場で乗っている時、
先生に時間がある時は、その馬を一緒に見ながら 解説してくれました。ナニを解説してくれたかというと、ライダー自身のことではなくて、馬の様子・動きや、馬とライダーの連動についてです。
でも、先生の主観で決めつけず、
たぶん○○じゃぁ~ないかなぁ~とかいう感じ、
まさにライダーと馬の感じですね。
でも、だいたい、“この後、馬はこうなるんじゃないかな~”というと、
だいたい、そうなっていましたな。
この授業は、大変勉強になったんですよ。
乗馬を始めた頃の思い出 24
~ “手綱とリード(引き綱)は同じです” ~
2016年3月29日だいあり~より
一つ目のクラブで引き馬を習いました。
“馬の左側に立って右手は馬のあごの脇の位置で引き綱を持って、左手では綱の先を持って、馬を引いてください”って。
そうか、引き馬っていうし引き綱っていうくらいだから、
馬を引くんだなッ!って
アッシはそー思いましたョ。
で、二つ目のクラブに行ったら、
やっぱり××でした、“馬を引っぱっちゃぁ~だめですッ!”
やっぱり、案の定、合図なんですよね、進めも止まれも曲がれも。“手綱とリードは同じですよ、指先で馬の動きを感じるんですョッ!”って。
エンデュランスには歩様検査が付き物で沢山練習させられ?いや、練習しました。
ところで、この引き馬、二つ目のクラで、ビックリ!な光景を見たんです。
繋ぎ場にいた、クラブに来て間もない3歳馬を、
馬房にしまってくれって、
クラブのオーナーさんから言われたんですよ。
で、馬房前まで引いていったんですが、そこから先、うんともすんとも石になったようで馬房に入ろうとしない。
スタッフさんたちがやっても同じ、
後ろから追おうとすると暴れるし。
そんな時オーナーさんが、なにしてるの?ってやってきて、
じゃぁ~オレがやるよ。ってね。
そして、馬房の入り口に向かって人馬が立って、
じっと微動だにせず2,3分かなぁ~、
長いようにも感じられたけど。
その後、すーっっと、馬が入っていったんですよ!
信じられませんでした。
後でスタッフさんに聞いたら、リードを通して馬とやり取りしていたんだって、
じわぁ~とプレッシャーをかけて、
ちょっとでも馬の重心が前に動いたら
リリースするの繰り返し。アッシには見ていて全然わかりませんでした、
神の手かと思いました。
乗馬を始めた頃の思い出 25
~ “ライダーとの関係は馬の本能を超越する?” ~
2016年3月31日だいあり~より
馬に乗っている時、
馬の本能で厄介だと思う行動ベスト3は
③ 前の馬を追いかける ② 草の誘惑に負ける ① 物見してイレギュラーする
③は、しっかり人馬の関係ができていれば大丈夫かなと。
②は、なかなか手ごわいですが、人馬の関係ができていて草が馬の口先になければ、大丈夫かなと。
①が一番手ごわいと思うんですよ。
ニンゲンだって、びっくりするでしょ?
どんな馬でも物見
(この写真のように何かなぁ~って、見たり注意が向く)すると思うんです。
これ→、いつも彼女達が着ている馬着ですよ、
でも、
普段はない場所にあると、わからないんですよね
つまり、人間は馬着を馬着と認識しているけど馬は違うってことで、言い換えると、
見慣れないものでも慣れてしまえばOK。
“the ナニナニ”はOKだけど
“a ナニナニ”は、ダメなんですなぁ~。
で、一つ目のクラブでは、なにか嫌がるものがあったら、馬によく見せてください、って言われました。
馬場内だけだから、滅多にそんなイレギュラーなものはないわけで、“そこにあるそれ”
つまりtheナニナニだから、
慣れさせればいいんです。
でもこれが外乗となると話は別です。
同じものが場所を変えただけでまた
ビックリするわけですからね。
なので、二つ目のクラブでは、
“危険がないものならライダーはフツーの態度で、ナンデモないんだよッって、
そういう気持ちで乗っていなさい”って
教わりました。いちいち全部に対して、しかも予測できないものにも慣れさせるって事は不可能だからですよ。
ついでに言われたのは“たとえ物見して
すっ飛んでも、何に対して反応したか、
人間の頭や感性で考えるだけ時間の無駄だよ”って。
勝手に身体がそうなっちゃうのが、
群れて生活している草食動物・逃げる動物の馬なんだって。
乗馬を始めた頃の思い出 26
~ “崩れる時はダムと同じです” ~
2016年4月1日だいあり~より
アッシはその馬に乗り始めた時、馬場から飛び出しちゃってたんですよ。なんで、飛び出しちゃうのかなぁ~、赤っ恥だよな~こっぱずかしいなぁ~って 思ってましたよ。
で、先生に聞いたんですが、その答えは
“馬はいきなり大崩れしないんですよ、
必ず前兆があります。常歩の時から、出口に向かって軌道がぶれていなかったですか?
その時に修正できていれば、
その後大崩れしないんです。
ダムが崩れる時も針の穴からっていいますよね、
小さいイレギュラーを感じられれば、
小さい働きかけで馬は修正できるけど、
大崩れしちゃったら
その後の修復は大変ですよね、
小さな変化を感じられることが
出来るようにしてくださいね”って。
これ、昨日のことにも通じるのですが、
前の馬を追いかけるとか道草するとかは、必ず前兆があるわけですよ。
それに気付けば、そうされないように働きかければいいんですよね。
でも、気をつけなければならないことは、
××されないように、あらかじめ先回りして、
あれはダメこれはダメと馬に働きかけちゃぁ~いけないんですよ、
人間の子供を育むのと一緒なんですよね、
難しいですね。
乗馬を始めた頃の思い出 27
~ “フリー騎乗の作法 続編” ~
2016年4月2日だいあり~より
前回(3月25日)の復習ですが、フリー騎乗は、準備運動・本運動・沈静運動で成り立っていて、準備運動は馬を温める・柔軟性を増す・馬の様子(人馬の関係)を感じる時間帯で、
本運動は準備運動で得た感じからその馬の欠点を修正するまたは長所をよりよくする時間帯、沈静運動は馬の体と頭をリラックスさせる時間帯ですよッて教わったという話でした。
で、今日の話は、では、本運動の止め時を
どうするか?っていうことなんですが、アッシの教わったのは、いいからって調子こいて乗っていないで“馬がよくなったら終わり”にしなさいねッていうことです。いかがですか?どう思いますか?
乗り始めた時に感じた状態より乗り終わる時の感じが良くなるように乗りなさいって。もし馬から感じる感覚がちょっとでもよくなったら、
そのよくなったちょっとの分だけ、
ライダーが上達したって事ですよって。
でもその“よくなった”って、
すごい主観的な感覚じゃぁ~ないですかッ!?
よくなったと思って乗り終わっても、
先生から馬が全然よくなってないですよッ!っていつもいつもダメだしされていました。
そこで次に登場するキーワードが
“馬をはかりなさい”って
いうことなんですが、その話は、またの機会に。
乗馬を始めた頃の思い出 28
~ “知らん顔して乗りなさい” ~
2016年4月4日だいあり~より
ご覧の通り?アッシは根っからの体育会人間でして、昔は、
“本番で発揮できる力は練習の時の80%、
だから、
練習では全力の120%を発揮しようッ!”とか叩き込まれてまして、ヘロヘロになっても地べたを這いつくばっていた若者でした。
で、それを乗馬に持ち込んじまったから、乗っている時、二つ目のクラブの
オーナーさんから言われちまったんですよ。
“知らん顔してただ乗ってなよ”って。
先生がその心を解説してくれました。
“なんもよそ見しろってことじゃぁないですよ、平常心で乗れっていうことです。
ライダーがやるぞやるぞやるぞっ!って、
気合いが入りすぎて、入れ込みすぎているし、
馬を無視して馬にギュウギュウやらせすぎているんです。
それじゃぁ馬も一緒にジタバタするか逆に
ライダーを無視して人馬別々になりますよ”って。
そのオーナーさんからいただいたアドヴァイスは、いつも」こんな感じで、
その後先生が翻訳・解説してくれました。
他にもいろいろあるのですが、それらはアッシの血となり肉となって、そして会員さんたちにもお伝えしているわけです。
そして最後に教わったのが2日に書いた
“馬をはかれ”です。
この話は次回に。