『肝』の話です。
歩度の詰め伸ばしが、結果的・間接的に速度に関わることは、間違えないのですが。
『馬が活発に動く』=『馬のスピードが速い』、も同じように結果的・間接的には、そーなのですが。
とーぜん、馬が活発に動いていなければ、スピードは遅いのですが。
『馬が活発に動』いている場合、スピードコントロールは、
ライダーさんと馬との関係で、スピードは自在になるんです。
つまり、『馬が活発に動く』という言葉には、隠された主語があって
『馬のエンジンが活発に動く』という状態だということです。
この映像、馬が左の口角に触ったハミに対して譲っています。
手綱、テンションないですよね?
馬が活発に動こうとする時、後肢から前肢・頭頚に向かって、エネルギーが押し出されます。
つまり、後肢の踏み込み。
このエネルギーの一部(つまり頭頸に向かう力。余の力は前肢に向かう)が、ハミで行き場をなくす時、
ハミの触っている方向の斜め下(今回で言えば左下・左前肢の前膝方向)に鼻先を持っていけばいい、と
馬が理解して行動するのが
馬のハミに対する譲りです。
クレグレも言いますが、ハミ(手綱)を引っ張ちゃぁ〜駄目ですよ!
馬のエンジンが活発に動いて、馬がハミに対する譲りを覚えた時、
乗馬における馬の歩度はある程度は自在にできます。
自動車に例えると、エンジン回転数を2,500回転にしていれば、
ローギアはローギアの、セカンドはセカンドの・・・トップギアはトップギアの
スピードになるわけです。
歩度を詰めたセカンドギアでは、細かい輪線が描けるし、
歩度を伸ばしたトップギアでは、
パッパッパッ、スッスッスッと進んでいきます。
馬の推進力とハミへの譲りの調和の賜物です。
以下蛇足
(高等)馬術になると、一歩進んで、ハミ受けが必要になります。
乗馬では、ハミ受け、できなくても大丈夫です、
馬がハミに譲ってもらえさえいれば。
馬にハミへ譲ってもらえることさえできれば。
逆いうと、『手綱がピンと張ってなければ、馬のコントロールができない』という言葉は
(高等)馬術における教訓です。