乗馬の小ネタ・その2

2026年2月13日
幽霊の正体見たり枯れ尾花 〜 馬の気持ち・人の気持ち〜 その1


このウマ、ジェイさんです。
正式名はジャスティス、正義の味方ですゾッ☆

初心者の皆様はじめ多くに方々に愛されている馬。
反動がほとんどなく、元アメリカン・プレジャーホース。
ただ、いわゆる、物見するんです。
特に、冬場。季節風が強い時とか、まさに。

ナニに反応しているかわからない。
ニンゲンさんにとっては、たぶん、ナンでもない事なんだと思うんですな。

と、いうことで、【幽霊の正体見たり枯れ尾花 〜 馬の気持ち・人の気持ち〜】 について
今回、考えていこうかと思っておるのです。


2026年2月15日
幽霊の正体見たり枯れ尾花 〜 馬の気持ち・人の気持ち〜 その2


馬の物見の話なんですが。
馬がなにかに反応して、大きなリアクションをするっていう。
なんで?ナニに反応して?って、皆さん思うと思うんです。
ナニに反応してそーなったかがわかれば、これから以降、こっちが気を付ければいいんでしょ?って。
そこで。
ちょいと横道になるかも?ですが、昔話を。

あるエンデュランス大会に参加した時の思い出話ですな。
走行前獣医検査の歩様検査の時です。
この写真みたいに、右ターンして(ターン以前は速歩、ターンは常歩、ターン後は速歩)
戻ってくるんですがね、他の馬術競技会の歩様検査とだいたい同じなんですが。
その、某大会の歩様検査を、アッシはその辺から見ていたんですよ。
その時、近くに、ベテランライダーさんらしき方とエンデュランス初心者と思しき人がいらして
二人でお話しされていたんですが。お話の内容がアッシの耳に入ってきちゃって。
ベテランさん
『どの馬も、ターンしたところで(写真4枚目の状態の時)、バタついているでしょ?
(カラーコーンの先数十メートルの)向こうに見える、ブルーシートを嫌がっている、
ほらまた、馬が躍った!間違いない。ブルーシート、どけておけばいいのに!』
初心者さん
『そーなんですね!馬はブルーシート、いやがりますよね。ナンで役員さんは気づかないんでしょうか?』
ってな感じのお話を延々と。
これ、皆さん、どー思いますか?ブルーシート、馬が嫌がるから、どけたほうがいいですよね?
物見の対象の横綱級ですよね、ブルーシートは?

ただ、聞いていて、アッシは思いました。
『そーかもしれないし、違うかもしれない。ただ、違う可能性の方が、格段に高いなッ』って。
何故か?
カラーコーンの数十メートル先にあるブルーシートに対して馬が拒否反応を示しているなら、
馬は、まずはその方向に向かって進んで行くのを嫌がる、すなわち1枚目の写真になる以前に
馬は反応しているはずなんですよ、よくあるパターンは前に進まない、ビタ止まりする。
それがないのに、ターンした後で馬が躍る(跳んだり跳ねたりサイドステップしたり)のは
別の要因があるんじゃないのかなぁ〜って、思っちゃうんですな。
アッシは思いました。

このベテランさんのように、ハッキリと物事を断言できれば、どんなに楽かなぁ〜!って。
そのほうが、お客さんの納得感が高いんだろーなーッ! って。
《続く》
…歩様検査時のターン後に起きるドタバタの原因については、近々、別途検討考察しますね。


2026年2月17日
幽霊の正体見たり枯れ尾花 〜 馬の気持ち・人の気持ち〜 その3


前回は、エンデュランス大会の歩様検査で起きた昔ばなしを書いたのですが。
今回は、こんな場面。
引いていた馬が、この辺に来たら
・左側(人間側)に寄ってきた
・歩くスピードは遅くなった
・ビタどまりした
・後退した
・反転した、しかも走った!  なんてことが起きました。
貴方は、思いましたよ、
「いきなりなんだよッ!お前さんに足を踏まれなくてよかったよ、あっ、そーか、この大きな岩が嫌なんだなッ!
じゃぁ、まずはこの辺を片目ずつ見られるよーに両手前で小さいサークル描いて、
それから両眼で見て貰うよう正面からも岩を見せて、っと」
「そうそう、だんだん慣れてきたね、いいこいいこ」ってね。
その時、この栗毛君は、ナニを思っていたか?
「あぁ〜ヤバかったよ、あの横木の脇から、なんだかわからんけど虫みたいなのが、こっちに飛んできたゼ、
オレ、よく見えなかったけどさ、まだ心臓がバクバクするぜ、クワバラクワバラ
このヒト、オレにナンにもリクエストしてこねーからさ、退屈してあたりをキョロキョロしちゃったぜ、
なんだか、さっきから、このへんうろうろ歩かされてよお、つまんね〜な〜 (;´∀`)
早く一緒になんかしよーぜよぉ!」
・・・馬がナニを考えているか?わからないもんですなぁ~


2026年2月19日
幽霊の正体見たり枯れ尾花 〜 馬の気持ち・人の気持ち〜 その4


その3と同じ場所での写真ですが、
人馬はいませんし、柵の外の風景もなんか違うところがありますよね。
その3の話の中で、栗毛君が飛んできた虫にビックリした、なんて、
栗毛君の口を借りて明らかに法螺話っぽいこと書きましたがね。
じゃぁ、思うんですよ。
栗毛君が認識していた従来の風景が、今回の写真の風景だったとしたら
どうでしょうか?
前回と今回、微妙に違う、ニンゲンにとっては、大したことはない違い。
カラーコーンはカラーコーンだし
トンボ(レーキ)はトンボ(レーキ)。
でも、ウマにとっては、普段と違うってことが、大事件なんですよね?!
別の可能性としては、あの瞬間、あの場所で、
ニンゲンには聞こえない、普段聞きなれない音を拾っちゃったのかもしれません。

栗毛君がナニに反応して、バタついたか?
ニンゲンがニンゲンの持つ『五感・知識・経験・感性』で考えても、
結局のところ、ウマではないから、わからんと、アッシは思うんです。
多分、○○じゃぁ〜ないかなぁ〜 くらいは想像できますが。
まあ、横綱級に代表的な物見の対象ってありますけどね。
ブルーシート、レジ袋、傘、旗、、、
ただ、カウボーイの諺にあるようですよ
『この世に馬がいやがる(怖がる)ものは、たったのふたつだけしかない、
それは、動くものと動かないものだ』

いつもなにかに警戒して、ビクビクドキドキキョトキョトしていると
枯れたススキも幽霊に見える、

ウマって、そんな動物?なのかもしれないって、思うんですョ。

《次回・第5回/最終回に続く》


2026年2月21日
幽霊の正体見たり枯れ尾花 〜 馬の気持ち・人の気持ち〜 その5(最終回)


『馬は臆病な動物です』とか
『被捕食動物の馬は常に逃げる準備をしています』とか
『このウマはビビりちゃんなんです』とか。
そういってしまえば、事は簡単ですが。
なんとか、できんかな?と、アッシ達ニンゲンは思ってしまいます。
馬が物見してドタバタしたら、危ないし、ケガしたくないしって。

馬は臆病とか、ビビリとかとはいうものの、例えば、
競馬の大レースに出ている三歳馬たち、大観衆にビビってヘンテコになっていますか?
オリンピックに出ている馬たち、どうでしょうか?

JRAの元ジョッキーさんは仰っていました。
『ビビっている余裕なんか馬にない』
元オリンピアさんは仰っていました。
『馬がライダーに集中していれば大丈夫』

アッシは、悲しいかなその方たちの足元にも及びませんよ。
でも、お手本として、ちょっとずつでも近づけるかもしれません。
馬と常にコンタクトを取っていられる、、、『馬とのコンタクト』についてはいずれ近々別の機会で。
馬が常にライダー・ハンドラーに意識が向いている。
こんな関係が少しでも成り立っていれば、少しは、馬の物見を防げることができるかもしれません。
それから、普段からいろいろなものに馬を馴致する、これも大事かな。
いろいろな物や現象を経験し慣れると、物見の可能性が低くなるようで。

馬が物見したから、しそうだから、って、
ライダーやハンドラーが一緒になってオロオロしちゃぁならんということで、
ライダーが上にいることが、ハンドラーが脇にいることが、自分にとって安心安全ってことが
馬にわかってもらえばいいってことで。
ホントに危険なものがあれば、人馬がライダーの指示で近寄らなければいいだけのことで。

ところで、この寝ているウマ、第1回に登場したビビリ―?のジェイことジャスティスさんです。
・・・みんな寝ていないのに、ひとりで寝ているよ、よく見るよくある光景。
他のウマより、こんな時は(ニンゲン感覚的には)ジェイさん、図太いよ。
ジェイにはジェイの馬としての、感性や考え、経験から導かれた習性や行動特性があると思うんです。

物見の対象がナニか?ニンゲンの感性や知識を超越した馬の感性による突発的な反射行動。
物見の対象を探すことはあんまり、重要なことじゃぁ〜ないって、
なぜなら『突き詰めても答えはわからない』からねって、アッシは思うんです。
馬が主張する答え、それは、物見の対象は、ニンゲンにとっては全く予想外の『枯れ尾花』ってなことで。


2026年2月25日
右ターンで踊る馬のお話 〜前編〜


『幽霊の正体見たり枯れ尾花 〜 馬の気持ち・人の気持ち〜 その2』での
お約束の、これですな。
《…歩様検査時のターン後に起きるドタバタの原因については、近々、別途検討考察しますね。》
雨が降っていまして、時間がありそうかなと、アッシなりに考えたことを書いてみます。
実は、検討考察は前々からしていたのですが。ブルーシートに関する対談を聞いていたときから。

まずは、この2枚の写真です。ロケーションも馬も違いますが、人馬の位置関係を見て欲しいんです
1枚目と2枚目の人馬の位置関係、どうですか?
アッシの立ち位置(ハンドラーのドライブライン)ですが、
1枚目は、馬の顎の脇
2枚目は、馬の首の付け根(肩よりちょい前) です。
アッシの基本(ニュートラル)のドライブラインは1枚目の位置としています。
で、画面左から馬をリーディングしてきてからカラーコーンを右ターンした時あとには、
アッシは数十センチ、後ろにズレちゃっていますよね?
これ、騎乗している時に例えると、馬にもっていかれる寸前の人馬の関係です。

人馬はリードロープを介して物理的につながっています。
(ちなみに歩様検査では、リードロープを張って馬をコントロールすることはNGです)
忘れてはならないのは、もう一つの人馬をつないでいる目には見えない糸、人馬の精神的なつながり。
馬のハンドラーに対するリスペクト、、、目には見えない、そしてすぐ切れやすい、細い糸でつながっている状態。
ニュートラルの位置関係が壊れているということは、
この目に見えない糸が切れちゃっている状態だと思うんです。

馬がハンドラーと一定の位置にいる、ということを忘れちゃっている状態。

この状態に至る間に人馬にナニが起きているのか?、、、何故切れやすいのか?切れちゃうのか?

それじゃぁ続きは明日に。


2026年2月27日
右ターンで踊る馬のお話 〜中編〜


何故、右ターンの時に、人馬を繋ぐ見えざる糸が切れやすいのか?

まずは、物理的な面での考察ですが。
ハンドラー(人間)が馬の左側で馬を右ターンのリーディングする場合。
馬が通過する軌道とハンドラーが通過する軌道の距離は、全然違いますよね。
馬の方が短い、ハンドラーの方が長い。
カラーコーンに向かって直線を速歩で行進してくる時と同じテンポで
…歩法は常歩に落とすとしても
ターンに入ったら、馬の方がどんどん前に行っちゃうんですよ。

ニュートラルであるはずのドライブラインをいとも簡単に、馬に突破されちゃいます。
これ、とても重要なポイントでして。
馬が敢えてそうしようとしなくても、勝手にそうなっちゃう。
単に物理的な問題。
1枚目の写真は、馬にドライブラインを突破されていない位置関係
2枚目の写真は、馬にドライブラインを突破されている位置関係

で、さらに馬にドライブがかかる、馬自身のメンタルな部分も加算されていきます。


2026年3月1日
右ターンで踊る馬のお話 〜後(最終)編〜


なんで、エンデュランスの歩様検査の時、
右ターンした時、ウマって暴れるの?って、お話の最終回。
その時の、馬のメンタル面を考えてみます。(状況的には写真3枚の間の馬の状況です)
ウマって、カーブが終わり、直線に向いた時、心理的にドライブがかかりやすい。
ウマって、往路から復路に切り替わった時、心理的にドライブがかかりやすい。
経験的に、そんな感じがしています。

右ターンカーブの円周の差で、馬にドライブラインを突破されて
さらに上記の心理状態でドライブがかかり、
極めつけは、ハンドラーが馬に追いつこうと、歩くテンポを上げた時!
そのテンポの上昇が馬にとっては追われることになり、かなりの推進・ドライブがかかると思うんです。
リードがあるので前は止められているから、上に行きますよね、馬のパワーは。
踊ります。

で、最終回なので、どうしたらいいか?
アッシはこうしていますってことを、為になるかわからないけど、書いておきます。
考え方としては、歩様検査のコースを一連の動きでリードしないことです。
・・・特に、ターンの時には、輪線を引馬するイメージにならないことです。
区間を5区間に分け、
往路の速歩区間、常歩区間(カラーコーンの手前3完歩程)、右旋廻区間、
復路の常歩区間(3完歩程度)、速歩区間とします。
常歩から旋廻に移行する前は(またその逆も)、一旦停止します。
右旋回時は馬を外方(右)姿勢にすることによって、前肢を軽くしてターンしやすくする一方
後肢の前への動きはなるべく止めて、踏み込みがしにくい状態にします。
この、『常歩⇒停止⇒右旋回⇒停止⇒常歩』のクォリティー向上が、
歩様検査のターンで暴れられない、に繋がっていくと思います。

アッシは、現地でおこなう走行前歩様検査に向けての準備段階(馴致)では
ヒツコクこの一連の動きを馬と一緒におさらいしています。



テキストのコピーはできません。